ダイパーケーキ作品#88「芍薬の美」
アマン東京でのベビーシャワーのメインダイパーケーキ。
”和””皐月”をテーマにしたベビーシャワーのオーダー作品です。
5月に美しい芍薬を。
京都の刺繍工房にお願いして、完全オーダーメイドの刺繍。
300色以上ある糸の中から、色選びは至難。
ここが一番作品の完成度を左右するところ。
ポイントは、葉脈に配した青。
青を配するのに、青色の20色以上の中から、少し明るめの青を。
青に合う黄緑も微妙な色の違いを見分ける力が問われます。
青を入れる配色は非常に難しいだろうと思って慎重に。これを間違うと、全く違うものになってしまう。
葉の方に青を用いようかと思いましたが、この配色配分で正解でした。
本物の古典な”和”の美しい世界をきちんと表現したかったこと、
あくまでスタイリッシュさ、格好よさも大切にしたかったこと、
西洋化してしまった日本に、”和”の美しさをもう一度取り戻せないか、という日頃からの想い。
それには外国の方々にも認められるような作品に仕上げたかったこと、
そして、何と言っても、スタイリッシュで最先端のファッションの仕事をされている主役の方にふさわしい作品にしたかったこと、
これには様々な作者としての想いが詰まっています。
日本の5月、
・芍薬
・薔薇
・藤
・蝶々
・牡丹
古典的な着物の刺繍をしていらっしゃる刺繍工房にご無理をお願いし、
10本以上様々な柄、色で出していただき完成したもの。
当初は藤、蝶々、牡丹で表現しようと思ったので、イメージの色を出してもらうのに
かなりの時間を要しました。
そして最後に黒のベルベット、それから古典的な紫を合わせたことで、引き締める効果を。
実は、アンティーク着物の状態のよいものの中から、切り取ってリボン状にして装飾しようとも思い
かなりの数を探し、いくつか試みてみましたが、これが私の中での一番でした。
本物の”和”の世界で研鑽を積まれて追求を重ねられている職人さん達の足元にも及びませんが
今回の”和”ダイパーケーキへの挑戦は新たなダイパーケーキの世界を広げてくれました。